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発熱外来ブログ

5月の菊地医院での検査数・感染者数・陽性率

2022.06.02

日本では2022年1月から、新型コロナウイルスのオミクロン株による第6波の流行が始まり、2月初旬をピークに感染者数は減少傾向に向かっています。
しかしその減少のスピードは遅く、感染者数の高止まりやリバウンドを繰り返して、第6波が収束しないまま第7波が始まるという見方もありました。

オミクロン株は現在、ウイルスの遺伝子の細かい違いによって、「BA.1」「BA.1.1」「BA.2」「BA.3」「BA.4」「BA.5」といった系統に分かれています。
オミクロン株の中での変化により発生した系統同士の組み換えも生じています。
BA.1 系統と BA.2 系統の組み換え体であるXE系統などの新しいタイプも出現しています。

オミクロン株の中での亜種への置き換わりや、異なる系統同士の組み換え等が繰り返され、一つの波がなかなか収束せずに感染者数減少のスピードが遅くなっているものと思われます。
国内の一日ごとの感染者数のグラフを見ると、昨年までは感染者数のピーク時を縦軸にして左右線対称になる山型のグラフがひとつひとつの波ごとに見られました。
今年になって始まった第6波については、今までと比べて圧倒的に感染者数が多く、一つ目のコブが大きく、二つ目以降のコブがそれよりも小さいフタコブラクダのような形態を示し、現状では徐々に感染者数が減ってきております。

BA.2 型の拡大は進行し、5/11日には全国の感染の96%が BA.2 型に置き換わったことが確認されています。
BA.2 型の拡大は世界的な兆候であり、世界各国で検出されるオミクロン株の9割以上が BA.2 型になっております。
その一方で世界的な感染者数は、現在減少傾向にあります。世界的にはオミクロン株は BA.2 型に置き換わってはいるのですが、オミクロン株の流行そのものは収束しつつあります。

新型コロナの様に呼吸器感染症を起こすウイルスは、原則的に寒い時期に流行が拡大し、オリンピックの開催などがなければ一般的には夏の流行は少ないため、今後は現在の波が収束していき秋頃までは落ち着いた時間が過ぎていく可能性が考えられます。
こうした夏の小康期を経て、秋以降に再び新型コロナの大きな流行が起こることも予測されます。
夏の間潜んでいたオミクロン株が再燃することも考えられますし、新たな変異株がこの時期までに発生していれば、それが大流行を起こすことも想定されます。
ワクチン接種による免疫効果が減衰している状況が重なれば、さらに波が大きくなるリスクがありますので、4回目のワクチン接種を行うことは重要と思われます。

5月の菊地医院での検査数抗原検査PCR検査)、感染者数陽性率を表とグラフにして示します。
1ヶ月間の検査数200例(抗原検査150例、PCR検査50例)、
陽性者数36例( 抗原検査27例、PCR検査9例 )、
陽性率18%でした。

上のグラフは2022年の菊地医院の検査数・発生状況です。
ベージュのラインは陽性率ですが、当院でも2月上旬をピークにして上がったり下がったりしながら、徐々に減少してきており、冒頭の国内の感染者数のグラフと同様の傾向を示しております。

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