2023年3月・4月の菊地医院での検査数・感染者数・陽性率
日本国内の新型コロナウイルス感染症の1日ごとの新規感染者数は、第8波のピークを1月6日に迎えて(246732人)、その後一気に減少し5月8日は9310人でした。
しかし首都圏(東京都)の4月1日以降の新規感染者数を見ると、少しづつ漸増しています。
3月・4月の菊地医院での検査数(抗原検査・PCR検査)、感染者数、陽性率を表とグラフにして示します。
PCR・抗原検査での新型コロナウイルス感染症の合計陽性率は、12月:58%、1月:35%、2月:8%、3月:7%、
4月:17%と、減少傾向の後再び上昇に転じています。
ゴールデンウィーク後の5月8日から5月15日の1週間については、コロナ陽性者は16名で陽性率は37.2%、インフルエンザについては6.9%でした。
新型コロナウイルス感染症はこれからどうなっていくのでしょうか?
2023年5月8日からは日本政府は新型コロナウイルスの感染法上の分類を、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げました。
類型が変わったとはいえ、新型コロナという感染症・ウイルスのそのものの性質が変化したわけではありません。
新型コロナの流行初期の3年前に比べ致死率・重症度はたしかに低下してきていますが、まだまだ多くの重傷者・死亡者がみられ、後遺症に悩む人も多くいます。
後遺障害に対する治療法は確立されていません。
今まではアルファ株、デルタ株、オミクロン株とウイルスが変異を繰り返し、そのたびに大きな感染の波がありました。
さまざまなオミクロン株の亜系統が出現しましたが、このあとはもう変異は起こらないのでしょうか?
ウイルスが弱毒化して罹患率と死亡率が大きく減少する 医学的な終息 を迎える前に、ゴールデンウィーク明けに5類感染症になり新型コロナに対する恐怖、関心が薄れて、人びとの意識の中に一足先に 社会的な終息が芽生えて、もう怖くない病気、移ってもそれほど問題ない病気という意識が拡がってしまうのではないでしょうか?
ゴールデンウィーク中の観光地ではマスクをしている人はあまり見かけられませんでした。
現在はお年寄りを中心にワクチン接種に来られる方がたくさんいますが、このあとはワクチン接種率は下がり、感染対策を積極的に行う人も少なくなってくるかもしれません。
5月8日以降は検査で陽性になった方に以下の資料をお渡ししています。
当初は10日間であった自宅待機期間も、7日間、5日間と短縮され、同居家族も濃厚接触者として特定されることはなく、外出の自粛も求められません。
PCR検査では感染後数週間にわたりウイルスの排出を確認できます。
感染者は、外出を控えることが推奨される5日間を過ぎても他人に移す可能性があること、
濃厚接触者は、症状がなくてもその後発症しまた他人に移す可能性があることを、
自覚して、これからも引き続き感染対策を講じていくことが必要であると思われます。