2023年1月・2月の菊地医院での検査数・感染者数・陽性率
年を明けての日本国内の新型コロナウイルス感染症の1日ごとの新規感染者数は、第8波のピークを1月6日に迎えて(246732人)、その後一気に減少し3月3日には10522人まで減りました。
第7波のピークは8月19日(261004人)であり、グラフでは第8波のピークは第7波を越えておりませんが、これは12月29日の発熱外来ブログで書きましたように、発表された新規感染者数以上に発表されていない『目に見えない感染』が拡がっていたはずで、実際には第7波のピークを越えていたのだと思います。
2021年1月(第3波)、2022年1月(第6波)と真冬の時期に大きな感染の波があり、2023年1月(第8波)は新規感染者数のグラフがパリのエッフェル塔のように、先端に向かうに従いさらに急峻な傾きをみせるのではないかと私は予想しましたが、中国での「感染爆発」・「春節の大移動」、オミクロン株の新たな亜型 『BQ.1.1』(ケルベロス)の拡大などの影響を大きく受けず、新年を迎えてからは急激に感染者数が減っていきました。
菊地医院でも年明けからコロナワクチンの接種希望者が減り、2月に入り発熱外来受診希望者数、新型コロナウイルス感染症陽性者数が減ってきました。
陽性率は12月:58%、1月:35%、2月:8%でした。
一方でインフルエンザの陽性者数は1月から増えて、陽性率は12月:3%、1月:14%、2月:37% となり、2月に入ってコロナと逆転しました。
感染性胃腸炎や急性上気道炎など、新型コロナ・インフル以外のウイルス・細菌によるかぜ症候群も増えております。
日本政府は新型コロナウイルスの感染法上の分類を5月8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げると決め、5類移行に伴い新型コロナの医療費・ワクチンの公費負担が段階的に廃止・縮小されます。
最終的に外来医療費は自己負担となり、例えば70歳未満で3割負担の場合、自己負担額は最大4,170円となり、インフルエンザに罹患したときの外来医療費4,450円とほぼ同じになります。
日本の新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、
・医学的な終息 罹患率と死亡率が大きく減少して終わる。
・社会的な終息 病気に対する恐怖心が薄れてきて終わる。
を迎えたのでしょうか?
このままインフルエンザと同じ流行性感冒・普通感冒として、定着していくのでしょうか?
“コロナ予算”は、新型コロナの流行が本格化した令和2年度だけでも総額77兆円に登り、国民1人あたり61万円であったとのことです。
東日本大震災の復興予算が10年あまりの総額で約32兆円であることからも、“コロナ予算”がいかに異次元の規模であり、その総額の使い方に対してこれから検証していく必要があるという意見があります。
その検証はもちろん必要であると思います。
3年ものあいだ“疫病”として日本を襲った新しい感染症によるパンデミックに対しては、その終わり方についても政治主導ではなく、国民のあいだから自然発生的に生まれてくるものと思います。
変異を繰り返していくウイルスの前では、慎重であり、その自然科学の現象の前では謙虚であることが必要と思います。
人工的に作られた疑いのあるコロナウイルスにより、人生が大きく影響を受けた人はたくさんいます。
いまだに後遺症で苦しんでいる方に対しては、これからも国が手厚く予算をかけて支援していって欲しいと思います。