11月の菊地医院での検査数・感染者数・陽性率
日本国内の新型コロナウイルス感染症の1日ごとの新規感染者数は、11月30日時点で138396人であり、
第7波のピーク(8月19日 261004人)の半分を少し超えたくらいですが、
第6波のピーク(2月1日 104520人) は11月半ばにすでに超えてしまっています。
東京医科大学病院渡航者医療センター特任教授 濱田篤郎先生による「第8波発生」の三つのシナリオの1番目、
①「これまでに流行していた新型コロナウイルスの残り火が、寒い季節に再燃する。」
が現在起きているのだとするとこれはオミクロン株「BA.5」によるもので、BA.5の残り火が気温の低下や感染対策の緩和で再燃したというものであり、このような形で「第8波」が始まってもあまり大きな流行になることはないと当初は考えられました。
厚生労働省の専門家会合は「増加速度の鈍化がみられ、ピークを迎える可能性もある」(11月22日)との見解を発表しましたが、本格的な第8波はオミクロン株の新たな亜型 『BQ.1.1』(ケルベロス)が拡大したときに起こるという懸念もあります。
ケルベロスはアメリカやヨーロッパでの流行が主流ですが、日本の第8波はケルベロスが主流になって置き換わっていくのではないかとも言われています。
厚労省のアドバイザリーボードによると、国内では12月1週目にはケルベロスを含む『BQ.1系統』が79%を占めるという推定値が発表されています。
つまり、 濱田篤郎先生による「第8波発生」の三つのシナリオの2番目、
②「オミクロン株ウイルスの新たな派生型が流行する。」 が現実になる可能性があり、これらの変異ウイルスは「BA.5」と比べて、感染した場合の重症度が大きく変わるとは考えにくいものの、免疫を逃避する能力が高くなっており感染力が強まることは予想できるようです。
今は水際対策が緩和されているので、欧米での流行が起きた後、間を置かずに日本での流行が拡がってしまうことも考えられます。
日本での新型コロナの流行を振り返ると、2021年1月に第3波、22年1月に第6波と真冬の時期に感染者数が大きく増加してきました。
2021年11月にオミクロン株がアフリカ南部で発生し、その後2022年1月に日本で第6波が起こりました。
2023年1月にその1年前と同じように新しい変異株による波が襲来したら、 新しい株の流行では、ウイルスの感染力も重症度も強くなっている可能性も想定でき、その被害は甚大なものになると予測できます。
濱田篤郎先生による「第8波発生」の三つのシナリオの3番目、 ③ 「オミクロンの次の変異株の出現 。」 です。
現在の日本政府の感染対策はオミクロン株の流行であることを前提にしており、オミクロン株ウイルスの新たな派生型が流行したり、オミクロンの次の変異株の出現したりすれば、その対策は根底から崩れてしまうことになります。
新型コロナウイルス感染症の日本での第1例は、2020年1月に発生しています。
2023年1月には、日本国民とこのウイルスとの戦いが丸3年になります。
2023年はどのような年になるのでしょうか?
11月の菊地医院での検査数(抗原検査・PCR検査)、感染者数、陽性率を表とグラフにして示します。
1ヶ月間の検査数は234例(抗原検査:196例、PCR検査:38例)、
陽性者数は118例( 抗原検査:100例、PCR検査:18例 )、
陽性率は50%でした。
インフルエンザの発生はありませんでした。
国内の新規感染者数のグラフと同じように、菊地医院でも抗原検査・PCR検合計合計陽性数は、8月の184例がピークでその後減少してきておりますが、ここにきて高くなってきています。
陽性率も第7波ピークの8月は69%で、その後9・10月と減少しましたが、11月は50%と再上昇してきています。
夏場にピークを迎え、秋に減少傾向を示し、冬になって再上昇という現象は、菊地医院のホームページのアクセス数についても、同様の傾向が見受けられます。
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1か月のホームページへの訪問数は、8月が200556人、11月が174870人、
1日の訪問数が最高になったのは、8/8:8071人、11/29:8645人でした。
2021年1月、2022年1月と真冬の時期に大きな感染の波がありました。
その波に、過去2シーズン影を潜めていたインフルエンザの波が重なれば、とても過酷な状況になってしまうと思われます。
たびたびお伝えしておりますが、ワクチン接種による免疫効果が減衰している状況が、コロナ再燃・インフル流行といった事態に重ならないように、 2022-23秋冬シーズンの前にオミクロン株ワクチンとインフルエンザワクチンの接種を行って、準備・対策をしておくことが大切であると思います。