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発熱外来ブログ

10月1日(土) よりインフルエンザワクチン接種を開始します9月の菊地医院での検査数・感染者数・陽性率

2022.09.30

10月1日(土)よりインフルエンザワクチン接種を開始します。

【2022~2023冬シーズン インフルエンザ株】今シーズンは以下の4株が製造株として選定されました。

■ A型)

1、A/ビクトリア/ 1/2020(IVR-217)(H1N1)
2、A/ダーウィン/9/2021(SAN-010) (H3N2)

■ B型)

3、B/プーケット/3073/2013 (山形系統) 
4、B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26) (ビクトリア系統)

なお、昨年から変更になったのは、A/H3N2株 とB/ビクトリア系統株の2株です。

新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンとの同時接種は可能です。ただし、インフルエンザワクチン以外のワクチンは、新型コロナワクチンと同時に接種できません。互いに、片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。

1回接種量接種間隔は昨シーズンと変わりません。
生後6ヶ月の赤ちゃんから接種が可能です。
予約制ではありません。来院された順番で受付します。

同時接種する場合の打つ順番についてですが、どちらが先でも問題はありません。
新型コロナワクチンは上腕三角筋中央部への筋肉注射、インフルエンザワクチンは上腕伸側で、肩峰から肘頭を結ぶ線のおおよそ下3分の1の部分に皮下注射しております。
片腕に2本打つのではなく両腕に1本ずつ接種します。
三角筋中央部のところに新型コロナワクチン筋注
上腕後外部下1/3の部分にインフルエンザワクチン皮下注射
それぞれ接種部位を5cm以上離して、同じ腕に接種することは可能なのですが、副反応が起こった場合にどちらのワクチンによるものなのか見分けがつかないことが起こり得るので、別々の腕に接種したほうが判断がつきやすくなります。

いずれのワクチンも単発で発熱などの副反応が出る場合はあります。
同時接種によって副反応が強くなる可能性は否定できませんが、海外の論文報告などでは単発との差はないとされています。

 費用接種量/接種回数接種間隔
6ヵ月以上~3歳未満1回 3,000円0.25ml × 2回2~4週間隔
3歳以上~13歳未満1回 3,500円0.5ml × 2回2~4週間隔
13歳~1回 3,500円0.5ml × 1回 or 2回1~4週間隔

今季、2022~2023年の秋冬シーズンはインフルエンザは流行るのでしょうか?

2019-2020シーズンは感染者が急増しインフルエンザが流行しましたが、その後2年間は感染者数は少なく流行りませんでした。
新型コロナへの感染対策として行われたマスク着用、ソーシャル・ディスタンス、手洗い・うがいはインフルエンザにも有効であることから、インフルの抑制にも繋がったと考えられますし、海外旅行をする人も激減したことから日本に持ち込まれるインフルエンザウイルスが少なかったことも要因として考えられます。
日本のその年のインフルエンザの発生状況を予測する際に、必ず参考にするのが南半球に位置して日本とは季節が真逆になる半年前のオーストラリアの状況です。
オーストラリアでは2022年5月(オーストラリアでは秋)にA型インフルエンザが流行し感染者が急増しました。
風邪の症状で来院する人の1/3がコロナ、1/3がインフルエンザA型、残りの1/3が他の風邪という状況でした。
10代、20代の若者、子供がコロナとインフルエンザの両方に罹ってしまう可能性が非常に高かったとのことです。

日本ではこの2シーズンインフルエンザがまったく流行しなかったため、国民の間に基礎免疫がなくいつ流行ってもおかしくない状況であると思います。
韓国でもインフルエンザが疑われる患者が過去5年間で最多になっているとのことです。インフルとコロナの同時流行:ツインデミックの恐れもありますが、アデノウイルス・ライノウイルス・RSウイルスなどの複数のウイルス感染も増加しており、マルチデミックという状況に対しても恐れられています。

現時点での日本でのインフルエンザの発生状況ですが、9/19ー9/25の1週間では沖縄の17件が最高で、全国でパラパラと発生しており総数78件、まだ大流行の兆しはみられていません。
近隣の保育園・幼稚園などで散発的に発生していますが、それが周辺に繋がっていくような状況ではありません。
しかし 国民の間に基礎免疫・抵抗力がないわけですから、外国から持ち込まれたり、局地的に発生した後に周辺に流行していくことは否定できず、南半球のオーストラリアやお隣の韓国と同様の状況が日本でも起きてしまう可能性については考えておかなければなりません。
ツィンデミックということになるのか、コロナのあとにインフルが来るのかは予測できないところがありますが、ワクチン接種による免疫効果が減衰している状況が2022秋冬シーズンの時期に重ならないように、新型コロナウイルスの4回目のワクチン接種、そして10月以降インフルエンザのワクチン接種も行い、今シーズンに向けて対策していくことが重要と思われます。
コロナのクーポン券が届いている方は、予約され来院する際にインフルとの同時接種を希望されれば、対応いたします。

毎年、大勢の方がインフルエンザワクチン接種に来られ、一時的にワクチンの数が足りなくなってしまうようなことがありましたが、当院ではできるだけ多くの接種できるワクチンの数を集める努力をしてまいりました。
コロナとインフルの同時流行の懸念に対して、ワクチンの需要が高まると思われ、国も各メーカーに増産を要望しており、今シーズンは成人の量に換算しておよそ7042万人と、昨シーズンの使用量の5194万人を大幅に上回り、過去最大の供給量が確保できる見通しです。

さて、新型コロナウイルス感染症の方の国内の発生状況ですが、8月の中旬をピークにして感染者数は減少してきています。

9月の菊地医院での検査数抗原検査PCR検査)、感染者数陽性率を表とグラフにして示します。
1ヶ月間の検査数252例(抗原検査195例、PCR検査57例)、
陽性者数110例( 抗原検査86例、PCR検査24例 )、
陽性率44%でした。
インフルエンザの発生件数は1例でした。

陽性者数・陽性率ともに8月から低下しており、国の発生状況のグラフと同様の傾向を示しています。
第7波の収束の傾向がみられるとはいえ、BA.2.75  ケンタウロス への置き換わりへの懸念もあって、油断は禁物です。
もしこの冬に同時流行ということになれば、発熱者や感冒症状の見られる方は、コロナなのかインフルなのか、それ以外の感染症なのか、検査してみなければ分からないという状況になります。
多くの方にコロナワクチンを接種できる態勢、十分量のインフルエンザワクチンの確保、コロナとインフルの同時検査(PCR検査・ドライケム抗原検査・抗原検査)がいつでも行えるようにそれぞれの検査キットの確保につとめてまいりたいと思います。
そしてそれぞれの治療薬の準備(インフルエンザノイラミニダーゼ阻害薬コロナラゲブリオ)、そして同時検査を行ってコロナでもインフルでもない場合は、必要があれば発熱外来から院内に入っていただき、迅速の血液検査・レントゲン検査・エコー検査などを行い、発熱の原因、炎症のフォーカスを精査するように努力したいと考えます。

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