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発熱外来ブログ

新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時感染 2023-24秋冬シーズン 3例目

2023.09.21

本日、38.6℃の発熱・咳・鼻水の症状がみられ、学校でインフルエンザが流行しているという14歳の男性が来院され、インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症に対する同時抗原検査を行いました。
結果は両方陽性でした。
抗原検査キットでは、前回のブログで紹介したケースよりインフルエンザの判定ライン (T) の線の濃さは、濃く出現していました。

インフルエンザとコロナが両方陽性になった場合は重複感染が疑われますが、どちらかが偽陽性である場合も考えられますので、より感度が優れるドライケム抗原検査で再検しました。
結果は両方とも陽性でした。

ドライケム抗原検査キットでインフルエンザの検査を行った場合、 発症して間もないウイルス量の少ない検体では1段階目の検査行程では陰性になり、 イムノクロマト法の検出感度を高めた 2段階目に入り増幅した結果やっと陽性になるケースがあります。
この場合 カッコ付きの A:()とか B:() として結果が表示されます。
ウイルス量が多く1段階目で陽性になる場合は、カッコは付かないという表示になります。
A: という結果が表示されましたので、このケースはある程度A型インフルエンザウイルスの量が多くなっていると考えられます。
このケースもより感度の高いPCR検査で、インフルエンザ・新型コロナの同時検査を行い再検しました。

PCR検査では45~46サイクルかけてウイルスの遺伝子を増幅しますが、何サイクル目で陽性になったかが詳細に結果として得られ、ウイルスの量を類推することができます。
コロナは23サイクル目で陽性であり、発症早期でウイルス量の多い状態と考えられます。
前回のブログで紹介した18歳の男性のケースでは、インフルエンザについては抗原検査キットの判定ラインも薄めであり、PCR検査でも42サイクル目でやっと陽性で、発症ごく初期のウイルス量の少ない状況ではないかと考えられましたが、今回は30サイクル台で陽性となっており、ややインフルエンザウイルスの量が多い状態なのではないかと考えられました。

症状の主体はコロナウイルスによるものなのか?、先に新型コロナにかかりその後にインフルエンザに罹患したのか、それらを決定づける証拠は得られませんが、新型コロナ・インフルエンザの同時感染でもさまざまなケースが存在すると思われます。
2023年秋冬シーズンに入りコロナ・インフルのツインデミックの中、当院で3例目の同時感染のケースですが、今後もさらに多くなっていくと思われ、また経験した際にはご報告させていただきます。

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