蕨市の菊地医院 内科、小児科、外科、皮膚科の診療

菊地医院

夜8時まで診療しております

JR 埼京線 戸田駅 徒歩8分/北戸田駅 徒歩10分

〒335-0005埼玉県蕨市錦町2-20-12 (大日本印刷工場正門そば)

菊地医院

発熱外来ブログ

抗原検査 検体の採取方法

2022.08.23

新型コロナの流行『第7波』の拡大で、一日あたりの全国の死者数が8月23日に343人となり過去最多となりました。全国の救急医療や発熱外来が逼迫しています。
菊地医院でも毎日、朝8時半からその日の予約を受け付けていますが、すぐにいっぱいになってしまう状況が続いています。
埼玉県では県が50歳未満の有症状者を対象に、無料で抗原検査キットを配送により配布しています(8月31日までを予定)。
また新型コロナウイルス感染症の検査を行っている医療機関にたくさんの抗原検査キットが送られています。
当院にも600回分の抗原検査キットが送られてきました。

抗原検査キットの配布を受けた方がご自身で検査を行って陽性であった場合は、
以下の案内のQRコードからアプローチすると、
①発熱外来を行っている医療機関を検索する埼玉県指定診療・検査医療機関検索システム
オンライン診療を行っている 埼玉県指定診療・検査医療機関
スマートフォンによるオンライン診療検査キット陽性者相談窓口
④診療、相談、薬の処方を行わず、確定診断のみを行う検査確定診断登録窓口
につながります。

菊地医院では院内の通常診療と発熱外来を併せて行っており、頑張っても発熱外来の予約は20人がやっとの現状です。それがあっという間にうまってしまう状況で、1日に200件以上発熱外来の受診を希望される電話がかかってきますが、予約がいっぱいになったあとはスタッフが『申し訳ありません、発熱外来の予約は朝の早い段階でいっぱいになってしまって、本日はお受けすることができません。』と恐縮しながら電話で一人一人の方に対応しています。一日中その対応をしているからスタッフも大変です。

お断りしている発熱者にできるだけ対応したいと思い、配布された抗原キットを利用していきたいと考えております。

○発熱外来で陽性診断をした方の同居家族(濃厚接触者)に人数分抗原検査キットをお渡しする。
○症状があって直接医院に来られた方も、発熱外来の予約がいっぱいであれば診察をお断りするケースがありましたが、そのような人に抗原検査キットをお渡しする。
○当院のかかりつけの患者さまで発熱外来の予約ができなかった方に、抗原検査キットをお渡しする。

上記のようなケースを想定し、抗原検査キットを用いてご自身で検査を行った後、現物を持ってくるか、検査に使用したキットをスマートフォンなどで撮影していただきその画像を見せていただくことで、確定診断し、保健所への発生届を提出、また薬の処方などを行っていければと考えております。

抗原検査キットを配布した後にご自身で検査を行っていただくわけですので、抗原検査キット用の検体の採取方法について再度ご説明させていただきたいと思います。(以前に 発熱外来ブログ2021-22冬期の発熱時のコロナ・インフルエンザの検査について① にてご説明しています。)

ご自身で検査を行う場合は、配布されたキットを用いてご自身で検査を行い、検体を採取することになります。
新型コロナウイルス感染症の抗原検査の検体としては、気道または口腔由来検体(だ液・痰・鼻腔ぬぐい液・鼻咽頭ぬぐい液)のうち鼻腔ぬぐい液あるいは鼻咽頭ぬぐい液を用いることになります。
発熱外来で検査を行う際は、エアロゾルボックス内で鼻咽頭ぬぐい液を採取するケースが多いですが、自宅で抗原検査を行う場合は鼻腔ぬぐい液が中心になると思われます。

鼻腔ぬぐい液検体の採取方法

検体採取時には、鼻孔の方向で鼻腔に沿って 2 cm 程度スワブを挿入し、挿入後スワブを5回程度回転させ、5秒程度静置し湿らせます。医療従事者の管理下で被検者自身が検体を採取することが可能であり、医療従事者への曝露するリスクを低下させることができます。鼻咽頭ぬぐい液採取(鼻グリグリ検査)が痛くて苦手な方は、医師の管理下でご自身で採取していただくことが可能です。
検出感度は鼻咽頭ぬぐい液と比較すると低いとの報告がありますが、実用性と疼痛の回避、医療者の感染予防の面から有用な検体であると思われます。
発熱外来が逼迫している現状では、ご自宅にてご自身で採取していただいてかまいません。

鼻咽頭ぬぐい液検体の採取方法

SARS-CoV-2 は上気道から感染するため、感染初期には鼻咽頭ぬぐい液は最も標準的で信頼性の高い検体と考えられます。反面、自己採取ができず、医療者による採取が必要であり、飛沫に曝露するリスクが高いため、感染予防策を徹底した上での実施が前提となり、また適切な部位から採取する必要があります。
だ液や鼻ぬぐい液より感度が高くなりますが、何よりも痛い鼻グリグリ検査になります。検査を受ける方にとってはとてもつらいことになりますが、綿棒の先端が咽頭後壁にあたり抵抗を感じたところから、さらにグィッと押し進め、綿球部分が折れ曲がり咽頭後壁に触れるようにすると、感度がより高くなるそうです。
医療者による採取が必要との注意書きがありますが、ご自宅にてご自身でトライしていただいて大丈夫です。
咽頭反射を起こして咳き込んでしまい、ウイルスを空中にまいてしまうリスクがあります。口をマスクで覆い、鼻孔のみを露出し、マスクの上から手で口を押さえながら採取を試みることをおすすめします。

当院で使用している新型コロナウイルスの抗原検査キット(QuickNavi ™-COVID19 Ag)の有用性について書かれた論文(The evaluation of a newly developed antigen test(QuickNavi ™-COVID19 Ag) for SARS-CoV-2:A prospective observational study in Japan)によると、この抗原検査キットとRT-PCR検査を有症状患者の鼻咽頭ぬぐい液を用いて比較したところ、感度は91.7%、特異度は100%であったとのことです(表2)。
また同施設の論文(Diagnostic performance and characteristics of anterior nasal collection for the SARS-CoV-2 antigen test:A prospective study)では、同様にこの抗原検査キットとRT-PCR検査を有症状患者の鼻ぬぐい液を用いて比較した結果では、感度は72.5%、特異度は100%であり、特異度はそれぞれ100%でありましたが、検出感度は鼻咽頭ぬぐい液と比較すると鼻ぬぐい液はやはり低くなっております(表1)。

表1

表2

上記の表で鼻ぬぐい液と鼻咽頭ぬぐい液を比較し、鼻咽頭ぬぐい液の方が検出感度が高くなることを示しました。
無理をして鼻の奥までグリグリ入れて、鼻血を出したり鼻粘膜を傷つけてまで採取する必要はありませんが、ウイルスの量を十分に採取でき信頼性の高い検体になります。
他人にやられるとそうとうツライですが、ご自身でゆっくりと挿入する分にはできそうな気がします。
ウイルス量が少ない状況下では、抗原検査は偽陰性となりすり抜けてしまうリスクがあります。
発熱などの症状がはっきりと認められてウイルス量が多くなっていると思われる時期に、しっかりと検体を採取し、これで陰性の結果なら絶対にコロナじゃないよねと、信頼できる検査を行うことも大切であると思われます。

鼻ぬぐい液検体でもしっかりと結果は得られるかとは思いますが、お子様が痛がって嫌がるため、鼻にチョコチョコッと入れただけでは陰性になってしまう可能性があります。
お子様でどうしても鼻腔からの採取ができない場合は、鼻かみ液採取用紙というものがあります。

鼻をかんで採取用紙の奥のポケットの部分に、鼻汁をためてもらいます。
矢印の部分は折り返しになっていて、鼻をかんだ後に鼻汁を拭き取るのに適しています。
しかし、この検体ではより感度の良いPCR検査で結果を判定するべきかもしれません。

綿棒で検体を採取した後に、綿棒を抽出容器の底までに入れて試料を作成し、フィルターを通して試料をテストプレートに滴下し、その後目視で測定結果を判定します。
県から配布された抗原キット(SARS-Cov-2 ラピッド抗原テスト)はロシュ・ダイアグノスティックス社のものになりますが、具体的な取り扱い方法を下記に示します。


鼻ぬぐい液、鼻咽頭ぬぐい液の検体の採取方法、検体の処理、結果の判定までを実演した動画を作成しましたので、下記をご覧ください。
ロングバージョンとショートバージョンがあります。

https://www.048-442-5745.jp/movie/

pagetop
048-442-5745