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発熱外来ブログ

コロナ関連ニュース―抗原検査

2021.02.27

抗原検査とは、ウイルスに感染した細胞が特異的に産生する抗原を検知して診断に導く検査のことを言います。PCR検査とともに、新型コロナウイルス感染症の確定診断に用いることができます。そのため新型コロナウイルス感染症と思われる症状が発症した方でも、発症1日目~9日目の間にこの検査で陰性となった場合には、その時点では新型コロナウイルス感染症ではないと言い切ることができます。

新型コロナウイルスの抗原検査をするキット:クイックナビ-COVID19 Agは15~30分ほどと最短で検査ができること、特別な検査機器を使わずに検査ができるというメリットがあります。しかし、PCR検査に比べて感度・特異度は劣り、診断をつけるためには一定のウイルス量が必要となります。無症状で新型コロナウイルス感染症に罹っているかどうかのスクリーニング検査としては用いることができません。

クイックナビ-COVID19 Agは、ラテックス凝集法を原理としたイムノクロマト法を用いて、鼻咽頭ぬぐい液中の新型コロナウイルス抗原を検出する測定キットです。

判定時間は15分で、判定ラインをコントロールラインは青色、テストラインを赤色の2色を用いて視認性を高め、迅速かつ簡便にわかりやすく判定することが可能です。
昨日のブログでもお伝えしましたが、インフルエンザの検査も同時に行うことができるため、鼻をグリグリする鼻咽頭ぬぐい液を採取する作業は1回のみで、インフルエンザとCOVID-19の両方の検査を行うことが可能です。

写真の上段が新型コロナウイルス抗原を検出するクイックナビ-COVID19 Ag、下段がインフルエンザウイルス抗原を検出するクイックナビ™-Flu2です。

昨日、発熱症状が見られたものの今日は無症状であるという患者さまの鼻咽頭ぬぐい液を採取し、検体浮遊液に侵した試料を3滴ずつ上記二つのキットの右端の滴下穴に滴下します。

ウイルス抗原を検出するキットでは、判定するためのコントロールラインが着色する速度や、そのラインの色の濃さがウイルスの量の多さを反映しているものと思われます。
右端の滴下穴に3滴試料をたらした後、キットの中心部にある窓に少しずつ試料が浸みてきます。
検査がうまくいっているかどうかを判断するポジティブコントロールの判定ラインは青色(C)、陽性であれば赤色に着色されるテストライン(T)で示されます。
試料が浸みてきてテストラインに到達した途端にくっきりと赤色のラインが濃く検出されるケースは、かなりウイルス量が多い検体と思われ、ラインが出現した瞬間にドキッとしてしまいます。
感染してから数日目の発熱・咳などの症状の見られる、最もウイルスを排出している時期なのだと思われます。

当院に設置してあるPCR検査器(全自動遺伝子解析装置 Smart Gene)では、通常約1時間かけて45サイクルの遺伝子増幅が行われます。
陽性例でウイルス量が多い場合はそれよりも速く結果が出てきますが、抗原検査ではその場合一瞬で陽性の結果が判断できることがあり、速い展開が期待できます。
簡便な検査キットのみであり、感度・特異度はPCR検査に劣りますが、ケースによってはとても有用な検査になります。
Smart Geneは現在2台ありますが、3月中にさらに1台設置する予定であります。

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