コロナ関連ニュース―抗体検査①
6月1日(月曜)より新型コロナウイルス迅速抗体検査を実施します。
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抗体検査は、侵入したウイルスに対して体内の免疫システムが産生する物資(抗体)を検知する検査です。抗体は免疫グロブリンと言われ、ウイルスが体内に入ると免疫細胞が抗体を産生します。迅速キットでは採取された血液を検体としてわずか10~15分程度で判定することが可能です。
新型コロナウイルスのIgM抗体は発症から数日、IgG抗体はIgM抗体と同時か数日遅れて出現します。 IgM抗体はその後消失し、IgG抗体は長く体に残ります。 こうした検出時期の違いにより、
未感染 : IgM陰性 IgG陰性
感染初期 : IgM陽性 IgG陰性
感染中期 : IgM陽性 IgG陽性
感染後 : IgM陰性 IgG陽性
と判定し、感染の有無・感染時期を診断することができます。
感度・特異度ともに優れた迅速検査キットを準備しましたが、検査の特性上、完全に陰性であると言い切れるものではありません。ウイルスに感染して発症後すぐにはウィンドウ期と呼ばれるIgM、IgGともに抗体が検出されない時期があります。 全く症状がなくこの時期に陰性であると判断しても、その後症状が出現したり、抗体が陽性になってきたりすることがあります。
どのような方が検査したらよいかというと、
・一か月以上前に体調不良があり、新型コロナウイルス感染症に罹っていないか確かめたいという方
・不特定多数の方と日常的に接する機会が多く、ご自身が感染していないか不安な方
・自分が他の人にうつしてしまう可能性はないか、うつしてしまっていないか不安な方
・同じ場所で働いている仲間同士で、新型コロナウイルスに感染している人がいないことを確かめたいという方たち
など、とくに特徴的な症状がなくてもご不安な方は検査してみるのも良いと思われます。
人類が今までに出会ったことのない新しいウイルスで、集団免疫も獲得されておらずワクチンもない。
戦っている相手のウイルスのことがよく分かっていないので、得体のしれない相手に対して言いようのない恐怖を感じてパニックになってしまいます。
自分自身の感染リスクに恐怖を感じたり、また自身が感染することにより職場の人や家族にうつしてしまうことに強い不安を覚えている人は、
まず検査をしてみて、今の時点で感染していないという事実が分かることでずいぶん安心できるのではないかと思います。
当院のスタッフ十数名、非常勤のドクター、全員を検査させていただき、全員が陰性でした。
先日、新しく入職された2名の職員の歓迎会を、医院3階でささやかに(肉はけっこう買いましたが‥)行いました。医院ならではの特典なのかもしれませんが、安心して過ごすことができました。
保険適用されておらず、迅速キットの納入価が高価なため、検査にお金がかかってしまいますが、感染していない人を正しく感染していないと判定する確率:特異度は100%近くありますので、抗体の陰性を確認して安心されるのではないかと思います。
写真は当院で導入している2種類の迅速抗体キットの、それぞれ陰性例を示しています。